楽級通信ぷらす

大事な事からそうでもない事まで毎日呟いていきます。

ティール組織

ティール組織」読了。「管理しない組織が、なぜ成果をあげるのか?」という問い思い浮かべつつ読んでいました。『学び合い』で生徒に課題を任せるとなぜこんなにうまくいくのかが気になって読みました。とてつもない情報量だったので、めちゃくちゃざっくりと「任せる」と「管理」の違いに焦点を絞ってまとめました。自分なりの解釈なので内容的に誤っているところがあるかもしれません。ご了承ください。

 

歴史の中で、人類のパラダイムが変化するにつれ、組織モデルも変化していきました。その中で現代のような変化が激しい時代に対応した組織がティール組織です。ティール組織では、リーダーはいません。そのときの問題の状況によって柔軟にチームを組んだり、解散したりします。いわゆる自主経営できる組織です。そんな中で最も重視しているのが組織の「存在目的」です。「何のために我々は存在しているのか?」という高次の社会的ミッションが軸にあるからこそ、ティール組織は管理されずともとんでもない力を発揮できる、というわけです。

 

そもそも「管理する」ということ自体、根っこに「恐れ」があります。学校現場もその側面がかなりあると思います。「指示しなかったら誰も動けないのでは?」「教師が丁寧に教えてあげないと課題は誰も解けないのでは?」といった考えがまさにそれです。ティールのパラダイムでは、根っこに「信頼」があります。「この生徒たちなら、この課題をみんなで解決できる力を持っている」というような期待があります。マクレガーは「人間は生来怠け者で、強制されたり命令されなければ仕事をしない」というX理論と「人間は生まれながらに嫌いということはなく、条件次第で責任を受け入れ、自ら進んで責任を取ろうとする」というY理論を提唱し、どちらが正しいのか調査しました。結果は、どちらも正しい。「恐れ」が根っこにあればX理論が正しくなるし、「信頼」が根っこにあればY理論が正しくなります。つまり、リーダーのパラダイムによって変化するということです。(※リーダーのパラダイムが変わっただけで組織が変わるわけではありません。組織を変えるために行動しなければなりません。)

 

『学び合い』のセオリーの1つである、「生徒は有能である」を思い出しました。信頼しているからこそ、生徒も集団の力を発揮します。この考えが腑に落ちておらず、「生徒は教師が手をかけてあげなければならない存在である」と考えていれば、もっともらしいことを語っても生徒が率先して動こうとはしないことは当然だと思います。そして、教師自身がクラスや学校の「存在目的」を明確に語れる必要があるのだと思います。「何のために存在しているのか?」私自身も自分に問いかけてみようと思います。

 

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