楽級通信ぷらす

大事な事からそうでもない事まで毎日呟いていきます。

重なるエピソード

「学び合う教室」(https://www.amazon.co.jp/dp/product/4491015996/ref=as_li_tf_tl?camp=247&creative=1211&creativeASIN=4491015996&ie=UTF8&linkCode=as2&tag=bookmeter_book_middle_detail_ios-22)を読みました。生徒同士が学び合う力は、ホモサピエンスに生来備わっている能力なのだということを再認識しました。そのために特に必要になるのが、生徒たちの学びを邪魔しないこと。簡単なようですが、実際やってみると「教師が教えてあげなければ!」という自分の呪縛がいかに強いのか気付かされます。

昔の西アフリカの仕立て職人の師弟制度の例が印象的でした。新入りはまず親方、熟練工、半熟練工の仕事場をうろうろし、仕事ぶりを見るだけでなく交わされる会話の様子も聞いた上で、少しずつ仕事を任されることになります。つまり、特段何かを教わったわけでなく、技を盗んで学ぶのです。こうして集団に溶け込んで一人前になっていくそうです。人が社会的関係から学び取る力の威力を示したエピソードだと思います。

そして最後に書かれていた西川先生の話も面白かったです。ある日仕事が立て込んでいて没頭していたところ、必修の授業が入っていたのをすっかり忘れていたが、実は先生がいないところで授業が成立していたという話です。実はオンラインゼミ(https://bit.ly/3lMsgHn)でも似たような状況がありました。以前先生が仕事に夢中になってゼミに来なかったときも、我々ゼミ生間で自然と対話して盛り上がっていました。先生は「遅れてごめん!!」と謝っていましたが我々は有意義な時間を過ごしていたためニコニコしていました(笑)。

そんなこんなで『学び合い』の初期の本を読んでいるとゼミの節々に出てくるエピソード(とゼミで起こったエピソード)と重なる部分が多くて面白いです。『学び合い』実践者でなくともおすすめしたい一冊です。