楽級通信ぷらす

大事な事からそうでもない事まで毎日呟いていきます。

「断絶への航海」読了

「断絶への航海」(https://www.amazon.co.jp/dp/product/4150115044/ref=as_li_tf_tl?camp=247&creative=1211&creativeASIN=4150115044&ie=UTF8&linkCode=as2&tag=bookmeter_book_middle_detail_ios-22)読了。長かった…2週間かかった…。専門用語が多すぎて心折れそうになりましたが、ケイロン人の社会に徐々にのめり込み、後半の畳み掛けで最後はあっという間に読み切ることができました。

もともとオンラインゼミ(https://bit.ly/3lMsgHn)でも話題に上がる脱工業化社会について知りたくて読み始めた本です。ケイロン人の社会は「通貨がない」「組織体系がない」と我々の感覚では違和感だらけに見えますが、違和感を感じている時点で工業化の考えに捉われている自分がいるんだなぁと感じています。

特に印象に残ったのはD中隊についてです。地球では「はみ出しもの集団」として扱われてきたのですが、ケイロン人の社会では「個性あふれる人たち」として尊重されています。「はみ出し者」という表現自体、我々が良いと思っているものから外れた者への表現に感じます。でも、そもそも自分たちが良いと思っているものって、工業化社会の考えが根っこにあるのでは?と考えさせられました。対して「個性あふれる集団」は、各々の強みを尊重した表現で、個別最適化というか、脱工業化のコードなのだと思います。個人的には大好きな解釈です。自分が作るクラスもこういう価値観にしたいな、なんて思ったり。

かなり長旅だったSF小説でしたが、心の底から読んでよかったと思える大作でした。読書会が楽しみです。

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