「「忙しい!」を誰も言わない学校」の中で、ジェンダーを意識した理科について触れられていました。「実験での中心的な役割は男子が担う」という固定観念が男女共にあるということから、それを崩すための手段として、川合先生の「自己モニター」というものが紹介されていました。やり方はシンプルで、男女が話し合う様子を5分間記録し、それを聞き直すというもの。教師は特段何もしません。それにより生徒たちが自分たちの行いを対話しながら振り返り、関係が解消されていくというものでした。
本当に驚いたのは、生徒がこの自己モニターをジェンダー解消のためでなく、「実験に参加できない子も実験に参加できる」と捉えた例があったということです。民主教育のため、というジェンダーを超えた視点をもっていたということです。これはジェンダーに囚われている教師が介入したら出てこない発想です。「こんなこともあるのか!!」と、改めて「生徒は有能」という生徒観の深さを感じたエピソードでした。
「「忙しい!」を誰も言わない学校」