楽級通信ぷらす

大事な事からそうでもない事まで毎日呟いていきます。

必要なのはミッション

「学習者の相互作用を中心としたメディア活用」についての研究論文を読みました。メディアの機能の向上スピードが凄まじく、今まで磨いてきたものが急速に陳腐化してしまう危険性が高まった今、こうした機器を使った授業を見つめ直すつもりで読んでみました。

小学生を対象に、社会科の調べ学習での生徒の行動を2ヶ月間観察した研究です。達成すべき目標を示し、方法は生徒たちに「最も能率的だと考える方法」として任せています。教師からPC等の機器の使い方は教えず、担った役割は、図書室を使えるように根回しする等の「外部との調整」、「あの班はインターネット使えるようになってたよ」などの「学習状況の可視化」、そして「授業の目標設定」の3つです。

結果として生徒は同級生からの情報収集を行うようになり、全ての班でPCを利用した発表をするようになりました。教師がやり方をあれこれ教えるまでもなく、最終的に生徒たちはPCを利用できるようになりました。

以前読んだ生徒の自己選択能力を明らかにした論文と照らし合わせると「どうしたら目標を達成できるか?」を生徒たちは考えることができるくらい有能だとわかってきました。となると、iPad等の機器も、我々が思いもよらない使い方をしてくる可能性があります。論文の最後に、教師が教えなければならないことと教えなくてもいいことの検討が必要だと述べられていましたが、少なくとも伝える必要があるのは以下の2つかな、と個人的には考えています。

①将来どんな社会になるのか

②その社会で幸せになるために高校で何をしなければならないのか

いわゆる「ミッション」が重要ですね。新年度に向けて、その辺りをさらに掘り下げていきたいと思います。