Audibleで「エヴァーグリーン・ゲーム」を聴きました。Audibleで作品ラインナップを眺めていた時ふと気になった一冊で、なんとなく聴き始めました。
この小説の題材はチェスです。ふとした偶然でチェスに出会い、その魅力に惹かれていく人たちのストーリーが、一人ひとり丁寧に描かれています。よく「将棋と違ってチェスは引き分けがあるからなぁ」と言われることがありますが、逆にこの作品では「だからこそ面白い」と、今まで考えたこともなかったチェスの魅力的な側面が示されています。
また、難病で入院中にチェスに出会った子、保健室の先生から偶然チェスをすすめられた全盲の子など、一人ひとりのストーリーも惹かれるものばかりです。そしてこの作品のメインは、そうしてチェスに出会った人たちが一堂に会する「チェスワングランプリ」。ネタバレになっちゃうのでこれ以上は言いませんが、鳥肌が立つ場面が何度もありました。
これはAudibleを聴いてて思うことですが、たまに読み終わった後、その内容が鮮明に自分の中に残る作品があります。今作も、まさにそれでした。オススメの一冊です。