以前、自分よりも多くの資産を持っている人の話を聞いた時、「自分ももっと投資しなきゃ!!」と内心焦った記憶があります。でも、その感情に違和感を覚え、そこで少し立ち止まりました。
「資産という物差しだけで、自分の幸せを計るべきなのだろうか?」
本書『DIE WITH ZERO』(https://amzn.asia/d/cpIHUY2)は、その問いに対する答えの解像度を上げてくれた一冊でした。 「アリとキリギリス」が例として挙げられていましたが、本書の主張の一つは「アリのように働きすぎるのも良くないし、キリギリスのように何も考えず遊びすぎるのも良くない」というもの。「今」しかできない経験を最大限楽しみつつ、将来の備えにもしっかり向き合うことの大切さを学ぶことができました。以下、気になったポイントをまとめてみました。

記憶の配当
新婚旅行で行ったスリランカ、両親と一緒に行った高級宿、息子が生まれた瞬間、初めて祖母と息子が対面した日……。思い返してみると、これからの人生でも、心の中で生き続けるであろう思い出がたくさんあります。本書ではこれを記憶の配当と呼んでいます。まるで配当金のように、チャリンチャリンと懐に入ってくる感覚。こういった思い出に繋がるかどうかが、これからのお金の使い方のキーポイントになってきそうです。

「今」と「未来」のバランスを考える
冒頭で述べましたが、老後に備えてコツコツとインデックス投資を続けています。でも、そこに注力しすぎると、「今」できる経験に使うお金が無くなる可能性があります。経験には「旬」があります。未来ももちろん大切ですが、今「やってみたいな」と思うことに迷わずお金を使えるよう、「今」と「未来」のバランスを考えた家計管理が必要ですね。

せっかく選択肢があるんだから
子どもの頃に比べて、大人はできることの選択肢が爆発的に増えます。が、考えてみると、長らくその自由に気づけなかった自分がいました。今でこそ、尊敬できる仲間と繋がり、語り合い、豊かな時間を過ごすこともできるようになってきましたが、働き始めたばかりの自分は、そんな自由すら放棄していたように感じます。短い人生、せっかくある選択肢を無駄にしたくはありませんね。

時間を取り戻すすべはない
大学生時代に『ハチワンダイバー』という将棋漫画にハマっていたのですが、作中で出てきた「人類皆平等なんてものは、時間しかない」という言葉が、いまだに心の中に残っています。今になっても、本当にその通りだなと思います。そう考えると、時間の浪費を防ぐ、というのはとても大切なことだと思います。例えばスマホ時間。意図的に部屋の外に置く等の工夫はしているものの、いじったときについつい観てしまうショート動画やSNS。こういう時間を少なくして、本当にしたいことに時間を使うよう、生活をデザインしていくのも大切な工夫だと思いました。

「今」をどう生きるか
本書からの一番の学びは、「今」できる経験を最大化する、ということ。例えば、息子の誕生にあわせて取得した育休。毎日、妻と息子と共に、かけがえのない時間を過ごすことができています。取得に踏み切って本当に良かったです。もし取得していなければ、「あの時、妻と息子と共に過ごす時間をもっと取れていたら……」と後悔していたかもしれません。人生は、思い出の総和。これからも、心の中で複利のように増え続ける豊かな思い出をたくさん作っていきたいです。
