P.F.ドラッカーの「断絶の時代」を読みました。「断絶への航海」ではありませんが、きっかけは「断絶」つながりでこのSF小説からもらいました(笑)。
本書は、これからの技術や産業構造、経済問題等の全てがこれまでの延長線上の発展では済まなくなってきている、いわゆる「断絶の時代」に入ったことを示しています。
そして断絶が見られる4つの分野の1つである「社会と政治」の中で、最大の中央集権組織である政府が、権力を持ちすぎているが故にことごとく大したことができず幻滅されていく様が描かれています。政府一極集中ではなく、分権化すべきだと語られていました。ここでハッとなったのですが、「もしかしてこの断絶って、工業化と脱工業化の波の衝突からきてる?」と気づきました(気のせいかもしれませんが笑)。1969年に刊行された本で脱工業化のことが書かれていることには驚きました。既に変化は始まっていたのですね。
断絶について一番強調されていたのは「知識」の分野でした。かつて仕事において知識がこれほどまでに重要になった時代はありませんでした。我々が学んだ知識も数年後に生かせるかというと、正直陳腐化する可能性が高く、まして数年後に必要な知識などわかるはずがありません。つまり、継続して学んでいく力が必要だと書かれていました。
こんなに前の本なのにこれだけのことが予測(本編では観察といってます)できているドラッカーに素直に驚きです。2022年となった今でも、これからの社会について考えさせられる一冊でした。
「断絶の時代」