楽級通信ぷらす

大事な事からそうでもない事まで毎日呟いていきます。

星を編む

「ああ、そうか。わたしたちは幸せだったのかもしれないね。」

「汝、星のごとく」の続編「星を編む」を読みました。前作は櫂と暁海を中心とした物語でしたが、今作はその周りの人たちの目線がメインとなってきます。

「価値観」が本書のテーマのひとつなのかな、と思いました。一人ひとり見ているものは違っていて、でもみんな自分が見ているものは正しいと信じていて、そこから少しずつズレが生まれて…。価値観が異なるのは当たり前ですが、わかっていても、そこに折り合いをつけるのはなかなか難しい。登場人物それぞれの視点から、そのズレに悩む様子や葛藤を感じました。

冒頭の台詞は、歳を重ねて、様々な経験をして、ふとした瞬間に出た暁海の台詞です。この言葉から、彼女の歩んできた道が見えてくるような気がします。凪良ゆうさんの小説は細部まで表現が本当に素敵ですね。前作とあわせて読んで良かったです。たくさんの方にオススメしたい一冊です。

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