Audibleで「リカバリー・カバヒコ」を聴きました。今年の本屋大賞候補にノミネートされている作品です。
ある公園に設置されているカバのアニマルライド。自分の治したい部分と同じ部分に触れると回復する都市伝説があり「リカバリー・カバヒコ」と呼ばれています。進学してからレベルの高さについていけず成績不振に悩む高校生、一度ついてしまったウソを後悔し続ける小学生、ママ友ネットワークから孤立して悩む主婦など、様々な悩みを抱える人たちがこの噂を聞きつけカバヒコに触れていきます。
ただ回復するだけでなく、この回復する過程がとてもほっこりする作品でした。そして特に印象に残ったのは、リカバリーとは以前の自分に戻るということではない、という点です。以前の自分にはない経験をして、新たな記憶が刻まれ、以前とは違う自分になっている。そこまで含めてのリカバリーなのだと感じました。
どの人の悩みも「自分もそうだったかもしれない…」と共感できるものばかりで、終始聴き入っていました。温かい物語を読んでみたい、聴いてみたいという方におすすめの一冊です。
