「１人も見捨てない」ことを生徒たちに語り続けていますが、１人も見捨てないとどんな集団になるのかが自分の中で腑に落ちていない感じがしていました。なんというか、語っていて「軽い」のです。帰り道に車内でそのことを考えていたのですが、ふと、見捨てたらどうなるのか？気になりました。もし見捨てる集団だったらどうなるのか？忘れないように、職員室に置き換えたバージョンで整理しておきたいと思います。
職員室で初任２年目の先生が悩んでいます。クラス経営、授業、保護者対応などなど…。年度当初に比べ、表情もかなり暗くなったのがわかります。そんなときどうするか？放っておきましょう。自分の仕事で手一杯ですから。数日後、その先生のクラスが荒れ始め、他の先生からも「ちゃんと指導しないと」と言われることが多くなりました。やるべき仕事もたくさんあり、毎日夜遅くまで残っています。そんな姿をみてどうするか？自分の仕事に集中しましょう。私だって仕事が溜まっているのですから。そしてその先生は次第に休みがちになるようになりました。気がついたらもうその先生は来ていません。しばらくして、退職したことがわかりました。しかしそんなことより自分の仕事が忙しい。構っている暇などありません。そしてまた１人元気がなくなっている先生が……。
自分でまとめていてゾッとしてきます。少なくとも見捨てる集団にだけは絶対にしたくない、ということは激しく納得しました。そして自分に置き換えてみて、私自身も同僚を見捨てないことを意識して行動することが大切なのだとわかりました。逆を考えてみると腑に落ちることもあるんですね。意外な発見でした。
