楽級通信ぷらす

大事な事からそうでもない事まで毎日呟いていきます。

騎士団長殺し

Audibleで「騎士団長殺し」4作を聴きました。村上春樹小説は「海辺のカフカ」以来です。今作はかなりその世界観に近いものを感じました。

個人的に、主人公の繊細な心理描写が印象的でした。客観的に見たらなんてことのない場面でも、主人公の頭の中では細かいところまで思考を巡らせています。飛躍した発想の中にも、共感できる点が多く存在する。そんな不思議な体験をした気がします。中には「なんでこんな表現ができるのだろう」と唸ってしまう場面も。村上春樹ワールド、恐るべしです。

なんだかうまくまとめられないのですが「深み」というものがあるとしたらこういうものなのかな、という感覚を味わえた作品でした。朗読の高橋一生さんの渋い声も世界観に合っていてオススメです。