楽級通信ぷらす

大事な事からそうでもない事まで毎日呟いていきます。

『「座りなさい!」を言わない授業』

『「座りなさい!」を言わない授業』を読みました。「生徒が立ち歩く」ことでどんな会話がなされるのか、どんな行動の変化が現れるのか等について臨床研究で明らかにしており、普段の自分の授業と照らし合わせて「あ〜だからこんな立ち歩きがあったんだ!」と納得できる点が多々ありました。

中でも衝撃を受けたのが、行動をサルに置き換えて正しいか、という点です。「え!サル⁉︎」と最初は思ったのですが、「ヒトという生物に生まれつき備わった本能」を考えるときに、最も基礎的な部分は進化の初期段階で成立しているはずだと考えると、我々の祖先と思われるサルにフォーカスを当てるのは自然な気がしてきました。

その点で「立ち歩き」を考えると、「もっと居心地の良いところを探す行動」と捉えることもできます。社会的地位の高いサルと低いサルが同じ集団にいると、社会的地位の低いサルはどんどん痩せ細っていくそうです。そう考えると、グループ学習でよくある班の固定化は逃げ場を失うため、長期的に見るとゾッとする結果が待っていそうです…。「立ち歩き」を「居場所を探すというホモサピエンスの英知」と捉えるという新しい観点を得ることができました。

同時に、サルは1人いなくなると様々な状況に対応しづらくなるというところから、「1人も見捨てず居心地の良い集団にする」ことがいかに大切か、という自分が大切にしている点につなげることもできました。初期の学び合いの研究から自分の実践について色々考えるきっかけをくれた本でした。また逐一読み返していこうと思います。

『「座りなさい!」を言わない授業』(https://www.amazon.co.jp/dp/product/4491020329/ref=as_li_tf_tl?camp=247&creative=1211&creativeASIN=4491020329&ie=UTF8&linkCode=as2&tag=bookmeter_book_middle_detail_ios-22