「子どもの行動を変えたいと思うなら、唯一確実な方法は、まず大人の行動を変えることだ。」
「子どもは罰から学ばない」のあとがきの一文です。本書から私が一番学ばせてもらった点を、端的に示してくれています。
罰に頼らない指導のアイディアがたくさん示されているのですが、おそらく共通しているのは、その取り組みを通して大人たちが変化している、ということだと思います。どれだけ一貫性をもてるか、どれだけ子どもたちにとって安心できる環境を整備できるかなど、大人側が考え方を変えて行動に移すことで、子どもたちはそれらを敏感にキャッチします。その結果生じる子どもたちの変化を見て、大人たちも自信をつけていく、という様子がとても印象的でした。子どもの姿から、大人が学んだのだと感じました。
ただ、「考え方を変える」というのはそう簡単なことではないかもしれません。まずは自分の思考の枠組みを変化させることへの抵抗感が少ない方と、本書の内容を共有していくところから始めていきたいと思います。